民法改正実務家の視点③
「債権の時価」概念からみた債権譲渡 81頁~85頁
虎ノ門国際法律事務所 弁護士 後藤孝典
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2009/02/25
「産活法改正法案、第二会社方式と債務超過でもできる会社分割」
2月2日経産省より公表された産活法改正法案について、
本研究会でも議論がなされました。
平成13年会社分割が制度として創設されて以来、
「債務超過でも会社分割」ができるとはじめて主張し、研究し続け8年目になります。
会社分割のパターン、メリット、デメリット、有効なケース、タイミング、
法務、税務、会計、登記実務と、多角的な検討を重ねてきました。
当初は、債務超過でも会社分割ができるというと、まるで詐術を用いるかのように非難の視線を投げかけられることもあり、
今でも理解してくれない方も少なくないと思いますが、
思いもかけず、「第二会社方式」というネーミングで、
産活法改正案の説明文に債務超過の会社に会社分割を使い、
企業を再生、再建させる方法がでてきています。
改正案ポイントでは、「優良な事業を存続させるため、中小企業の第二会社方式による再生計画の認定制度」を創設すると説明されています。
http://www.meti.go.jp/press/20090203001/20090203001-3.pdf
中小企業再生支援協議会は、「第二会社方式」を使う再生案件が急増加していると示しています。例えば、20年度上半期133社中債務免除があった34件中で24社(71%)が第二会社方式を使った再生でした。
一般的に「第二会社方式」とは、再生計画の策定にあたり、金融機関と事前に合意の上、事業譲渡または会社分割を用いて新会社に事業を承継し、旧会社について特別清算などを用いて潰してしまうことで実質的に債権放棄を受けることをいうようです。
上記ポイントでは、「過剰債務」を抱える中小企業の「優良な事業部門」を会社分割又は事業譲渡によって「切り離し」、新たに作った第二会社に優良な部門を移し、「不採算部門」の残った会社は「特別清算」などで潰してしまうという形で図示されています。
改正案上は「特定中小企業者」(「過大な債務を負っていること」によって、「財務の状況が悪化し」、「事業の継続が困難となっている中小企業者」のこと)が「中小企業承継事業再生計画」(「特定中小企業者が会社の分割または事業の譲渡によりその事業の全部または一部を事業者に承継させるとともに、当該事業者が承継した事業について収支の改善」を図ることによる事業の再生の計画のこと)を作り、大臣が計画を認定する制度として、「第二会社方式」による再生計画の認定制度を定めています。(産活法改正案 第2条第21項、同22項、第39条の2)
つまり、債務超過の会社が新設分割(または吸収分割)により第二会社へ優良な事業部門を移し、不採部門を残した会社を潰して再建する方法が予定されています(同39条の3からして、残った会社が存在しなくなることを前提にしています)。
債務超過でもできる「会社分割」(かんき出版)で、またこの研究会で長年にわたって主張され続けてきた方法です。
銀行側としても、有税で貸倒引当金を計上しているより、一部は倒産して貰って無税で損金計上するとともに、他の部分は優良企業として生きて貰うという両方を実現できます。さらに、会社分割では、事業譲渡では排除しきれない、デューデリジェンスで帳簿に全く現れない負債や、いかに目をこらしても見えないリスクを限りなく減らすことが可能です。だからこそ、急増しているのでしょう。
設定のメリットである①許認可を承継できる特例、②登録免許税・不動産取得税の軽減、③金融支援が、各省庁との関係において、どのように定まっていくのか注目していきたいと思います。
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